中古ゲーム屋に始まり、チケット商を経て、皮革ゴム製品商に辿り着いたある古物商の日記

by kinkenya-kobutu
 
2014年 01月 26日 ( 1 )
 
「一発」か、「二の矢あり」か
古物商わぁ~、一発で値段出さなきゃダメなんですよおぉ~(原文ママ)」

本日冒頭は師匠(皮革ゴム系)の口癖から入ってみました(師匠すみません)。
私が8年前、皮革ゴム製品買取の勉強をさせて頂いた時、よく頂戴したお言葉です。
「買取査定の金額は、プロは一度出したら最後、変えてはいけない」と仰っていました。
上記の「お言葉」は、色々な見方・捉え方があると思います。
現在の私は、

「あわよくば下から言うなんてのは二流の(古物商の)する事、自分の査定に責任持て」

という意味だと解釈しています。
またこれに似たお考えを持つ同業者様の中には、

「全国相場的に見たら若干安くても、こちらがこの値段だと確信したら堂々と提示すべき。
こちらが不安を見せればお客様にもそれが伝わり、成約するものもしなくなる」

と仰る方もおられます。我が師匠の真意とはかけ離れているかも知れませんが、
方向性や字面は似ているような気がします。
実はこの「一発査定、お客様の値段アップ交渉を基本受け付けない」は、
業界一位の同業者さまも実践されているんだとか。
こういう経緯もあり、私は買取査定の時できるだけ「一発査定」を心掛けています。

ところが先日、こんな事がありました。
良いお品をお持込みになられた常連様にいつも通りの査定金額をご提示した際、
「安い」と言われたのです。
そこで初めて伺ったのですが、その査定品は「合い見積もりの後攻」だったらしく、
私が先攻の同業者様に(査定価格が)負けていると教えて頂きました。
確かに、確かにその査定額はフルMAXのものではなかったんです。
『重大な懸念材料』が査定品にあったんで。
ひょっとすると大きな瑕疵が隠れている可能性がありました。
しかもそれは、商品を一度分解しないと見破れない難しいレベルのもの。
当然成約前に壊すなんてできません。現状で判断するしかないんです。
今でもその査定額は古物商としてごく当然のリスクヘッジだったと思っています。
しかし負けは負け。普段なら丁重にお詫びし、
先方でお売り頂くようお勧めするのですが…

情けないことに私は、そこで助言を仰ぎました。信頼する同門の「兄弟子」にです。
電話しました。(これは査定を“乗り返して”も良いものか)と聞く為に。
兄弟子の答えは明快でした。

「そんなもん○○さん(師匠)の言う“一発”に拘んな、古物商は“取れてなんぼ”だ」

二の矢三の矢を躊躇うなと。商品が買い取れなきゃ儲けはゼロだよと。
こっちだって人間なんだし、見誤ったり深読みしてドボン(損)食らうのは当たり前。
だから逆に多少「あいみつ」に負けたからって素直に負けを認めるなと。
ああ申し訳ございません、以後気をつけます。では○円に訂正します、で良いと。

結局先攻の査定価格から12%くらい(結構高額)上で成約しました。
もう既に二の矢を放って古物商としての面子は潰れているんだし、チョイ乗り
(競り時の業界用語 相手の価格を聞いてから僅かに上の価格を提示する悪手)
なんてできない。儲けが出るギリギリのラインを兄弟子に教わって再提示しました。
おかげ様でお客様は快くご売却を決めて下さいました。
ただしこれだと、「懸念」が当たったら大赤字です。
まあそこは仕方ない、そうなったらなったまで。
でも「素の査定」でそこまで私が同業者様に負けるとは思わなかった。

カッコいい古物商なんて、そうそうなれるもんじゃないですね。
私は見た目が「残念」だからせめて、
何でも一発査定のカリスマ古物商”になりたかったのですが…道は険し。
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by kinkenya-kobutu | 2014-01-26 11:42 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)


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