慣れていない、難しいお品物を買い取る際の注意事項

掛け軸十幅と香炉三基です。昨日お買取りしました。
普段ならやんわりお断りするような商材ですが、上得意様だったこと、
“こちらの事情”を十分鑑みて下さったことから、お引き受けしました。
明日18日は道具骨董市場ですしね…さあ、どうなることやら。
こういうハグチ(得意分野のこと)ではない物を取り扱う時は、
特に注意が必要です。
1 お買取りする相手には細心の注意を払う
お客様はいくつかのパターンに分類できます。
「物わかりの良い方」「聞く耳は持っている方」「ほぼ敵(失礼)」…
あとは省略という事で(苦笑)。今日の上得意様は確実に物わかりの良い
お方だったので特別にお引き受けしました。お客様の為にもなるし、
お値段にも不服を仰らなかったし、綺麗なお取引となりました。
お取引が全てこのパターンなら苦労はないのですが…。
「聞く耳は持っているお客様」の場合は、一応こちらの事情や説明を聞いては
下さるのですが、ご自身の主張は変えて下さらないので、話が平行線に
なったり、無理押しに私が辟易してしまうといった結果になります。
「ほぼ敵」…はドぎつい表現ですが、まさに文字通りです。
話は聞かない、都合の悪い話はとぼける、不成約を決して許さない、
こちらがどうなろうとも構わない…といった感じ。相対してすぐに気付けば
初手から不成約になるようクロージングしますが、問題は“豹変”する場合。
これは中々の揉め事になります。(本当は無価値だとご存じですよね?)と
思うくらい芝居じみた応対をしてこられる方もいらっしゃいます。
気を抜けば会社ごと取られかねないような…大げさと思うでしょう?
さにあらず。言葉や動作の端々にまで気を張っていないと、いつ何時言葉尻を
取られて攻撃されるか分かったものではありません。私むかし、僅かなミスで
ア●●ェイ(絶対書けない)に強制入会させられそうになりましたからね?
2 出口は本当にあるのか考える
私が明日参加する道具・骨董市場ですが、いつも行く金沢のブランド市場より
取り扱い品目が格段に多いです。しかし、何でも出品できる訳ではなく、
分野違いを出せば強烈な安値になったり、出品を断られるケースもあります。
私個人で使う用…ならまだしも、会社は12坪の狭い場所。要らないものを
いつまでも置いておけるスペースはハナからありません。
スタッフさん達が怒らないうちに(苦笑)、すみやかに換金する必要があります。
ヤフオクに出品するなら担当の社員さんが(これは嫌です)と言われるような
ジャンルは避けた方が良いでしょう(においのある商材と安過ぎる商材がNG)。
3 チャレンジする価値があるかを考える
「やってみな分からん」とは懇意の同業者S社長(京都)の口癖。
まさにその通りだと思います。今回の掛け軸も香炉も、かなり検品しました。
自分なりのお値段を付けられたと思います。これでプラスになるかマイナスに
なるかは私にとって貴重な経験です。これがうまく行けば新たなハグチに
一歩近づきますし、大ハズレしたら次同品を持ち込まれた他のお客様に
「前お買取りして、大損しちゃったんですよねーアハハ」と接客のネタに
できますからね。損したのは事実ですから、お客様もそこまで厳しく
要求してこなくなるでしょう(何言っても通じない方はいらっしゃいますが)。
たた、やる前からハッキリ結果が分かる場合は別です。どう考えてもお金に
ならないと分かっているのに買い取るのはボランティア又は自●行為でしか
ありません。商売ですらないし、お客様によっては“過大サービス”ではなく
“通常サービス”と認識して、永遠損を計上し続ける事を強要される恐れが
あります。こういう“負の連鎖”は初手で断ち切ることが肝心です。
まあ、こんな感じですかね。では明日、頑張ってきます。
by kinkenya-kobutu | 2023-09-17 23:08 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)