そもそも、「見抜けないプロが悪い」という論調はおかしい
https://news.yahoo.co.jp/articles/8493f8d6c125bc1cf360b3fc7652e163f48567c2
いろいろコメント書かれちゃってますね…。
私はまだ、この現物を見ていません。だから断言はできないのですが、
可能性はいくつかあります。
1 騙されたお店が不勉強だった
これも実は「感覚」でしかなく、今回の鑑定士が「これは偽物偽物…」と
深く信じ込んで鑑定すれば、9割方見抜けます。
つまり本質は「不勉強」ではなく、「騙してきた」容疑者が芸達者だった。
正規店の店舗写真を見せるとか、やり方が凄いですね。ただ、
「こっちが聞いてもいないのに査定希望者が権威付け発言をしたら〇〇」
という不文律もあるのですけどね…。
2 容疑者は「入れ子」である可能性
一個人で5000万もコピー品を質入れできたりはしないと思います。
凄いコピー品を“製造国”から大量に持ち込める「裏」がいると
思うのが自然です。その場合、黒幕は判明しないでしょう。
3 プロ野球選手でもフライを落球する(しかも3度も)
…有名なエピソードですよね。実はこれ「ポジションが専門で無かった」
という大問題が隠れています。質屋さんの鑑定士もゼネラリストが
いればスペシャリストもいます(私は雑食性のゼネラリスト)。
たまたま、鞄が得手ではない鑑定士が担当した可能性があります。
ともかく、偽造は見抜けて当たり前、それは大前提です。しかし、
人間が行うものです。そして今はコロナ禍で店も飢餓状態です。
ひょっとしたら、食い詰めた同業者が偽造団と組んでいるケースも
あり得ます。真贋看破のノウハウを偽造団に提供したら…
それはもう、阿鼻叫喚の図にしかなりません。恐ろしい事です。
各自が慎重に慎重にやっていくしかありませんね。
ともあれ、お客様の方でも「買ってもらえたらいいな」と
明らかにコピー品と分かっているものを買取査定に持ち込むのは
お止め下さいね。それ、下手すると店が潰れて店主が自●しますから。
もし毎晩枕元に立たれたら、それは故意で持ち込んだ方の因果ですよ…。
by kinkenya-kobutu | 2020-10-27 23:06 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)