貴方はプロの古物商なのに、カンニングなしでは正解が導き出せないのですか?
直近の数日間に、異なる地域で私が“尊敬して止まぬ同業者様”お二人に
続けてお会いしました。まあ、ここまではよくある話。
ただお二人は一面識もなく、古物商同士とはいえ守備範囲が異なり
(総合系とチケット商)、商いのエリアも遠く離れているのにも関わらず
ほぼ同時期にほぼ同じことを仰ったら、びっくりしませんか?
お二人が仰ったのは、
「相場を見て買取/販売価格を付ける時代はもう終わる。
地域のお客様と真摯に向き合って、正しい値段を出せないと生き残れない」
これって結構、従来の古物業界常識からはかけ離れた考え方です。
私を含め、多くの古物商はお買取り価格、販売価格を決める際、
ネット等で多くの同業他社様が付けているお値段を参考にします。
JTA(日本チケット商協同組合)会員なら交換会の出品価格、
ブランド商なら全国の古物市場の落札価格表も“他社を参考”に該当します。
ひと昔前なら鑑定士の感覚…というか「お客様の顔色」だけを見て
価格の高い安いを決めていた、素行の良くない店も散見しましたが、
今はネット社会。お客様がスマートフォンなどで“売買の相場”を
簡単に調べることができます。
ならば、口八丁手八丁は一切通じないと見た方が無難。よってこちらも
お客様にガッカリされないよう、失礼のないよう、そしてこちらが
損をすることが無いよう調べ倒してから価格は決めています。
…と、この従来の手法がもう違うんじゃないかと仰るのが、
稀代の傑物2人だったりすると、私も慌てるワケですよ。
今までのやり方ではもう通用しないのか、そういえば相場相場で
モノを捉えていると、最近成約率が落ちてきているよな…と。
ただ「地域のお客様と真摯に向き合い、正しい値段を出す」って
ものすっごい難しいことですよ。それこそ昔からある考え、
「どんなに安い買取価格、高い販売価格でもお客様がOKなら是」
とは似て非なるものです。他社や履歴には頼れない、
お客様の為になる値段でお買取りし、お客様の為になる値段で
販売するという意味。「お客様が喜ぶ価格」ともちょっと違う。
そもそもお値段とは、こちらの損得だけで付けるものではなく、
数多くのお客様との商いの中で、自然と形成されていくもの。
でも、ここまで書いててやっぱり難しいと痛感します。
私にもできるのだろうか…
他社を一切見ず、価格をパスっと決めることって。
途中怖くなってネットで“答え(っぽいもの)”見ちゃうなあ~多分。
by kinkenya-kobutu | 2018-10-11 16:44 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)