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“タフマッチ”になるケースとは

10月22日は「EN活フェア」参加の為、
“かおっとくさつ”は臨時休業します。何卒ご了承下さい。


当ブログのコメント欄に、読者様からご質問を頂戴しました。

一般的にどのようなお客様がタフ(マッチ査定)になるのでしょう?

なるほど。
私は独立当時のブログに「(従業員時代よりも)さらけ出す」と
宣言しちゃってますので、お答えいたします。
どういうお客様とタフマッチになるのか。
大別すると、

①販売価格は恐ろしく高価なのに、買取価格は恐ろしく安いお品
②物販業のご経験がなく、所有物を売却した事もないお客様
③とりあえず「もう一声」と言わないと気が済まず、
  上がるまでは頑として納得して下さらないお客様
④「合い見積もり」で査定価格が上がった経験を持つお客様

こんな感じでしょうか。
(注:該当すれば必ずタフマッチになるという訳ではありません)

①は毛皮とか着物、「旬」が過ぎて相場が暴落した宝石やブランド等が
これにあたります。
査定価格をお伝えするとめちゃめちゃお叱りを受けたり、
果ては査定価格どころか、
お品物を一目見た瞬間からお叱りを受ける事を確信する
ケースすらありますが、
その地雷原にあえて踏み出す我らの勇気を、少しは褒めて頂きたいくらい。
私は古物商であって、断じてリアクション芸人ではありませぬ。

②は事故です。事故。アクシデントです。
人間生きてきて社会人を長くやっていると、相手の立場を慮ったり
その背後にある義務や生活の事をある程度は理解できる筈なのですが、

100万で買ったから60万で引き取ってくれないとおかしい。
あの時は確かに500円で売ってたけど、今はプレミアがついてて当然、
定価割れるなんてこの店は何て非常識なんだ。


だいぶ前ですけどガチで言われた一例です。
ご理解頂けるでしょう? 「事故だ」って言ってるの。
全力で説得はしますよ? でもその説得をトチったら最後、
怒られて、
お品は当然買えなくて、
周囲にものすごくネガティブな口コミをお話しになる、
くらいのペナルティが来ます。
その晩は私ヤケ酒しませんからヤケ喰いです。ああまたズボンがキツくなる…。

③はそれを想定して少しお安めに査定し、お客様の「もう一声」と
言われてからおもむろに「しょうがないなあ、の●太くんは」的に
ピカピカピカーン! 落としどころ~」をすれば簡単に解決するんですけど、
残念ながら私は「できれば安くお買取りしたい」回路が
ブッ壊れてしまっているので(直す気もない)、最初からどのお客様にも
どマックス査定してしまい、この手が使えないのが難点です。

④か~、④は私どもにも責任がありますよね。
最初からみんなドMAX査定すれば、お客様に延々お店を何軒も
回って頂く必要ないですから。
でもやはりお店さんによっては、

MAX金額の9割~とか、
MAXの○割(書けない)とかで最初お見積り出しますからね。
ただ、こっちが最初からMAXの金額を出していたとしても、
「あいみつ先攻」の古物商の方が断然実力が上で、お客様に

さっき○○さん(先攻業者)は▲円って言ってくれたよ

と、衝撃の現実を教えて頂いた時は、私どもの対応が全く異なります。
修行不足でしたゴメンなさーいってお帰り頂くか。
「このマイナス分を広告宣伝費と捉えよう」と、先攻の同業者様が出した
超高い査定金額の上を出し直すのか。難しいところです。

ただ、手前どもがお客様からの厚い信頼を勝ち得れば、
大概タフマッチにはなりません。

商いに近道はない、という事なんでしょうね。

by kinkenya-kobutu | 2015-10-02 12:16 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)