株価が上がり、景気は上向いているとは言えど…
どうしてもお買取りが無理であろう商材だったので、
やむを得ず丁重にお断り申し上げたところ、こちらが言い切る前に、
こちらの鼓膜が破れるんじゃないか? という位ガチョッと電話を切られました。
言葉のニュアンス的に、ちょっと「物入り」でいらしたと思いました。
でも買えば間違いなく、赤字。赤字にならない位のお買取り金額を設定すれば
(この場合だとタダ同然になる)
今度はお客様の満足が得られない。「買い叩かれた」と思われるは必定。
つらいです、こういう時。誰も幸せにできなかった…。
新幹線車内での焼身自殺を例にあげるまでもなく、現在この日本では
生活困難者が急増しています。
小学生のお子さんを持つご家庭の6分の1は生活困難者なのだとか。
年金のみが収入の独居者も、生活が苦しいと聞きます。
「アリとキリギリス」を引き合いに出す方もいらっしゃるでしょうが、
「自己責任!」の一言で片付けていいかといえば私は微妙だと思っています。
出生時からかなり特殊かつ厳しい環境で、なかなか困難な状況から
抜け出れなかった人もいらっしゃるだろうし、
天を呪うしかないような不運な出来事に遭われた方もきっとおられる。
私はグズで屁垂れのアンポンタンですが、
職運に恵まれ、師に恵まれ、「商家ノブ家」の血の力に護られている以上、
幸運な人生だといえると思います。
もしこうじゃなかったら、ガソリンをかぶったのは私だったかも知れない。
(人に迷惑かけるのが大嫌いだから、おそらく一人きりで実行しますが)
勿論新幹線での焼身自殺、特に無関係の人を死なせてしまった事は
決して許されない愚挙でしかないのですが、
考えさせられる事件だったことは事実です。
私にできることといえば、
古物商としてもっともっと腕を磨き、お持ち込み頂いたお買取り品を
ひとつでも多く、少しでも高く査定する以外ありません。
己の非力が恨めしい。
by kinkenya-kobutu | 2015-07-03 18:58 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)