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意に染まぬ物でも笑顔で売れる?

私は商家4代に渡る「血の力」から、
たった一つだけ「標準装備」しているスキルがあります。

それは、「初体面のお客様に信じてもらえやすい」こと。
正直、これが無かったら私は商売をしなかったかも知れません。
どっかで野垂れ死んでたかも。
“スキル”は特に年上の女性に「発動」しやすく、もし私が悪の道に染まっていたら
さぞかし残虐なセールスマンになっていたことでしょう。

…が、読者様周知の通り私はビビリで屁垂れ。その上重度のお人好しです。
似合っていないものを「似合っています」と言ったり、
意に染まぬものを売り付けてまで利潤を得ようとは思いません。

プロのセールスマンの方が聞いたら激怒されそうですね。
真のプロなら、自分の感情をきちんとコントロールされるでしょうから。
でも、私は何とか「それ」で食えています。
「これは真にお客様の為にならないな」と思ったら、無理に売らない。
お客様が「どうしてもこれが欲しい」と仰ったら別ですけど、
割高なモノや使いにくいモノは極力店頭から外して、業者間取引に回します。

…とはいうものの、もうちょっとは店頭販売の数字も伸ばしたいところ。
買い取りと業者間取引で利益の大半を出してる今のビジネスモデルが
いつまでも通用するとは思えないんで。
お客様の「真のニーズ」をうまく引き出せていない自覚はあるんすよねー。

無理に売るな、お客様の好むものも売るな、お客様の為になるものを売れ
(近江商人十訓)

マジで良い言葉なんだけどなあ…。

by kinkenya-kobutu | 2015-03-06 10:45 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)