編集長から返答の手紙が来ました
とある国民的長期連載ギャグ漫画に、「盗品を売ってお金にする」くだりがあり、
作中盗んだ犯人は罪に問われず、そのまま日常生活を続けるという話を読み、
故売の罪(この場合、古物商は盗品と見抜けていないので故売とは言えない)や、
無償回復請求権
(古物商は善意で故意なく買ったものでも、盗品と確定できた時点で
窃盗被害者の求めに応じ『公安経由で』、古物を返却する義務を1年間負う)
の恐ろしさを知らんのかと、ファンで30年来読んでいるマンガ雑誌を相手に、
抗議文を簡易書留で送りました(個人名、法人名で)。
で、先日出版社の当該編集長から返事が来たんです。
(先方の封筒です)
内容は形式通り…と言えば形式通りか。
とりあえず「古物商の誇り」を傷つける意図はなかったと。
でも「古物商は盗品でも買う」「古物商の店頭には盗品が並んでいるかも知れない」
といった事を喧伝する意思がない事は読めば一目瞭然だから、
こちらが要求した「本誌に謝罪と訂正文を掲載する」はお受けできない、という話でした。
私のコトの持って行き方が不味かったかな…。
要は「どうしても訴えたかった事」がズレていたかも知れない。
「古物営業法はもともと盗品の換金防止を目的とした法律であり、
古物商はその99%以上が(盗品なんか買いたくない)と思っている(故売屋はごく稀)」
「実際は警察に全面協力しているし、培ったノウハウと(横の繋がり)で
盗品を見抜いて買わない、もしくはうまく通報する術を身に着けているので
マンガに書いてある通りすんなり換金はできない」
「窃盗とは加害者と被害者だけではなく、無償回復請求権による買取業者、
ご購入になられたエンドユーザー様(返却義務はないにせよ)にまで被害の及ぶ、
許されざる重罪である」
重要なのはそこだったんですよね。謝罪なんかホントはどうでも良かった。
古物商の真実を、苦しみを、
そして何より人から物を奪って換金とかしちゃいけないという事を伝えて欲しかった。
できれば訂正記事は書いてもらいたかった。
結局、こんな事を「書いてもいい」と出版社側が思ったのは、
古物商に対する「世間のイメージ」がこうだから、というのが根底にあると思うんですよ。
事実、暖簾元では「ギャグ漫画なんだから、別に」みたいな意見も多かったし…。
もうちょっと業界人が、この問題重く受け止めるべきだと思うんだけどな。
私ひとりだと「エネルギー不足」なんで、これ以上の苦情はやめます。
ただこの出版社に限って言えば、これから先
「盗品を換金して犯罪者の片棒を担ぐ事もあるのが古物商だ」みたいな事は
一切書かないと思うんで、声を上げた甲斐はあったと思っています。
成人向けマンガとかならまだしも、少年誌でコレやられちゃ堪らんからね。
将来子供に「パパの仕事は古物商だよ」って言えなくなったらどうすんの?
とか思う私は、マンガと現実の区別が付かない単なるアホなんでしょうか…。
by kinkenya-kobutu | 2014-03-03 11:54 | 古物商としての葛藤 | Comments(7)
「事」が大きいので、私個人の意見とさせて頂きます。
「移転」の時期は正直、お客様しか知りえない情報です。
返品が効かなかった、事情で使えず余った物品の受け皿も我々の役目だと思っております。
盗品察知、偽造看破、受け渡し金額及び作業の正確さを重視しなければならない私どもの商いにおいて、
膨大に集まる商品(特に金券)の所有権は今どこか、という所にまで意識が及ばないのが実情です。
もう売却後でさらにそれが2回転目、3回転目と転売されている場合もあります。
「デビッド」でお買い求めだったかも知れません。
お客様がもし「お約束」を不履行して、本来の所有者が「無償回復請求権」を行使されるのであれば、
私どもは義務を遂行するのみだと思っております。少なくとも私はそう思います。
うまく回答できなくてすみません。
ただ古物やっていると、胃液が全部逆流しちゃうような「×し」を喰っちゃうんですよねー。
ちなみに私は18年間で「無償…」を3度経験しています(内1つは被害届取り下げ→身内関係の~)。
残り2回は「ははーっ」ってお返ししました。
いつも思います、強盗や窃盗や詐欺ならともかく、置き忘れとかの系統ならそちら様の過失はどこ行くん? って。
言えないですけど。