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「商道にもとれば窮地に陥る」正に見本

「押し買い」というキーワードを覚えていらっしゃいますでしょうか。
主に貴金属買い取り目的でアポなしでお客様の自宅に訪問し、
物凄く安い値段で無理やり引き取ってしまうアレです。
最近は聞きませんね。

まあ今もやってたとしても、これでアウトです。
2月21日から「出張買取のクーリングオフ」が始まりますから。
これ、とんでもなく古物商に不利な法律です。
「飛込み営業」が完全不可(お客様の依頼なき訪問NG)ですから、押し買いは無理。
さらに「8日間のクーリングオフ」期間が強烈すぎる。
だって、

「クーリングオフ期限は●月●日までです」とお客様に宣言・明示しないと
永遠にクーリングオフが適用されてしまいます(諸説あり)。
さらに、
安く買い取れば後々高いお店をお客様が見つけて解除、
できるだけ高く買っても地金相場が高まればお客様がその時点で解除、
ギリギリで買っても精錬に回せるのは早くて8日後、地金相場が下っていればドボン。

可能性の話ですが、これでも貴金属出張買取やります? てな感じ。
そもそもこのクーリングオフ、貴金属の取引に全く向いていない。
でもこの法律が出来たのも、貴金属の指輪を1個数百円で買おうとして断られたから
押し買い業者側がお客様を殺害したあの事件が引き金でしょ。
自業自得というかなんというか。
押し買いやっていなかった古物商の立場から言わせてもらえれば、
押し買いしてた奴らは今すぐ全員出家して、被害者の冥福を祈って暮らせと言いたい。

にしても、
(消費者の利益を損なう恐れがない)、
(規制すると流通が阻害される)という理由で、

「自動車(2輪除く、これどう考えても33▼7対策だよね?)」
「家庭用電気機器器具(これは具体例が後日発表される)」
「家具」
「書籍」
「商品券など」
「レコードなど」

がクーリングオフ除外になっているけど、
貴金属が一番(阻害される)ような気がしません? 上がり下がりがごっついのよ? 
とはいっても、元々押し買い撲滅用の法律なんだから仕方ない。

貴金属の出張買取の依頼受けたら、
「店頭にお越しください」みたいな「露骨な出張拒否」が増えてくるかもしれませんね。
店頭買取ならクーリングオフ効かないから。

もうこれ以上、
古物商を縛る厳しいルールが増えて欲しくないと思うのは私だけでしょうか…。

by kinkenya-kobutu | 2013-02-15 09:02 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)