先日、同業者さまから“お誘い”を頂きました。
「5日の夜、ご飯行きませんか?」と。行きます行きます、喜んで。
でも行くお店の詳細をLINEで送ってもらった瞬間、“趣旨”に気付きます。
(これ、開店祝いの席だな)と。もちろんそれは是非参加したいのですが…。
“費え”の予想が付かない…場所は北新地、お店の紹介に“高級焼肉”と出る。
関西以外の方にはピンと来ないかも知れませんが、大阪のキタで“北新地”
と言えば、東京で言えばざっくり“銀座”です。“新橋”的なエリアもありますが、
東京のかの地と同じく地続きです。どえらい事になるぞ…ただ。
弊社もそれなりには利益が出ております。これもご用命下さるお客様のおかげ…
だからこそ、私は“経費”に辛い男です。だって私、“近江商人”ですから。
“近江商人”を名乗るには、まず会社(個人事業主でもいいけど)の“代表”
でなくてはいけません。“雇われ”の状態でも近江商人に間違いはありませんが、
「我こそは近江商人!」と名乗るなら“店主”“社主”“代表”であるべきです。
私は浪速商人の血統ですが(大阪で曾祖父米問屋、祖父伯父伯母質屋)、
14歳で引っ越してきたこの近江の地が好きで、一族の“血”から古物商に
魂を縛られて今があります。もう“大阪商人”は名乗れませんし、ここはやはり
“近江商人の古物商”として生きていきたいと常に思っております。
ここで話が変わりますが、皆様は本宮ひろ志先生の“猛き黄金の国道三”という
漫画をお読みになった事はあるでしょうか。タイトルの通り、“美濃の蝮”と
呼ばれた斎藤道三の物語なのですが、ここに道三の覇業に尽力する“近江商人”が
描かれています。この方が凄くて、商いを成功させる為に関係者を大歓待しながら
自分たちは見えない所で生の大根を齧って腹を満たすシーンがあり、私は
「これこそ私が目指すべき近江商人の指針だ!」
と、心に刻みつけました。だから私がまだ古巣の番頭をしている時、師が
「接待の時にも使っている」と喫茶店の珈琲回数券の領収書を私に渡した時、
(それほとんど社長が飲んでるやん)と思い、その場でシュレッダーにかけました。
当然、師は私に怒ります。だから言いました。
「経費を使う奴は誰だって敵だ!」と。
そもそも古巣の社是は「会社は公器」です。ちゃうやん。
大恩ある師にすらこんな事をする“頭のおかしいサラリーマン”だった私は、
独立した今もなお“コーヒーチケットの呪い”が解けておりません。
師に啖呵をきった以上、私が経費で“過度な良い思い”を得てはいけない…。
今回、懇意の同業者さまが新規開店(移転かな)をされました。めでたい事です。
当然、私としてもお祝いがしたかった。だから誘ってくださったH社長が、
「今回は“お祝い”だから、俺とノブさん(私)の2人で払うから」
と宣言された時は、「そのつもりでいました」と言いました。お金も多めに用意して
おりました。だからそこは全く問題がない…ただ、私の中で問題なのは、

“この宴席を経費であげてよいのか?”の一点。会社を出る前D女史(社員さん)に
「社長、ちゃんと経費使ってくださいね!」と念を押されました。これは社会通念上
問題ないと、領収書もらってきていいですよと。お墨付きをもらったんです。
でも私は大根を齧る近江商人でありたい…悩みました。H社長が大半
払って下さり私の負担は軽かったのですが、それでもそこは北新地。
おいしかった分、お会計はまったくもって可愛くありません…経費で食べちゃうか?
確かに宴席は意味がありました。知らない話がてんこ盛りで、その都度2人から
「これは内緒で」「ブログには書かないで」と念押しされまくったくらいディープな
お話も聞けました。だからこのお会計がいくら高かろうとも、招かれて滋賀から
“特急ひだ(指定席満席 インバウンド9割弱)”で大阪まで来た甲斐は絶対にある。
そこは間違いないのだが…焼肉、おいしかったからなあ。そこに“役得”は
なかったか? 公器としての法人を私的利用していないか? なんて散々考えて
…今回“も”経費にはせず、自腹にしました。すまぬD女史、気を使って貰ったのに
“屁垂れで豆腐メンタル”の私は経費を切れなかった…。
こんな事しても何も変わらないのに…たぶん今年中に今度は滋賀で飲み会やると
先様が仰っているので、今度こそ、今度こそ正々堂々接待交際費で歓待してみせる。
お二人様、こんな“変わり者”を誘って下さって誠にありがとうございます。
“類は友を呼ぶ”の線も捨てきれないのですが(苦笑)。
# by kinkenya-kobutu | 2026-03-06 17:52 | 行動中 | Comments(0)
