人気ブログランキング | 話題のタグを見る

商いのフィナーレとしてはこれ以上ない

商いのフィナーレとしてはこれ以上ない_f0064937_905575.jpg

ご覧になれますでしょうか。信号待ちの時思わず撮ったのですが…。

もはや珍しくもなんともなくなった、コンビニエンスストアの「終焉図」です。
ここは旧家からも程近い高速入り口近くにある繁盛店でした。
酒、たばこもあったかな、大型車も停められて通り道に高校が2校。
これで何で潰れちゃうのか…まあ閉店が“エンプティ”とは限らないけど。
(移転、オーナー高齢化、業界3位なんてやっとられるか鞍替えじゃ的なのもあり)
まあ普通考えて“エンプティ”でしょう。
「自己責任!」の一言で片づけては気の毒というもの。
元々、コンビニエンスストアFCビジネスは、構造的にこうなる下地があります。
オーナーだって齢を取るし、いつまでも同じ働きできないっつうの。
しかも2回目の更新(14年×2とか これもまたメチャメチャだが)をクリアした
“歴戦の兵”コンビニの近くには、雨後の筍並みに他社が進出してくるし、
なんなら味方のハズのフランチャイザーが同店を出して来たりする。

大事なお味方を背後から斬るってどんな神経よ?

コンビニ業界批判はさておき。
タイトルの「商いのフィナーレ」はこーんな消耗しきった廃墟の話じゃなくて、
東京神田、古書店街にあるとあるお店の話。
NHKの「ドキュメント72時間」で観ました。
齢90を超えるおばあさんが一人で切り盛りする古書店で、
何でも鉄道関係本の専門店らしい。
残念ながらご主人、そしてお子さんも他界していて、一人残った奥さんが
「主人、子どもが集めた本をお客様にお渡ししたい」という一心で
お店を続けているそうです。
嫁いでからずっと古書の世界にいた方だから、どうすれば「店しまい」できるか
ご存じでしょう(古書のプロ市場に纏めて出品したら1日で捌けるから)。
でも、エンドユーザー様にお譲りする事を目標に頑張っておられる。
「最後の一冊まで(営業)」と仰ってたけど、閉店セールでダンピングしないと
まず出ますまい。いいのはもう売れてるでしょうしね。

聞けば朝、自店舗の前に「見切った」古書を段ボールに入れ放置し、
それをもらいに来る方もいらっしゃるのだとか(他店さんの話です)。
サービスの一環でしょう。ブック○フには持っていかないんですね(当たり前か)。

大阪梅田にも“金券街”と呼んでいい一大チケットショップ地帯がありますが、
やはりたくさんお店があるとお客様が集まりやすいんでしょうね。
“無駄足”を踏みにくいし、何より眺めるだけでも楽しいから。
ただ古書は「棲み分け」がたやすそうだけど、金券だとそう簡単には…ね。
最近は他店との差別化を図るチケット商様もよくお見掛けします。
でも、JR運賃や百貨店共通券にはハッキリ「定価」があるからなあ…。

by kinkenya-kobutu | 2015-12-06 09:50 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)