人気ブログランキング | 話題のタグを見る

そんな考え方があるとは!

道具(主にゲーム)、
金券、
時計宝飾、
皮革ゴム製品、

今まで「古物の13分類」の中でも色々やってきて、
モロ被りの同業者様、商材が全く異なる同業者様と、
それこそ凄い回数お話しする機会を持っている私ですが、
こんな考え方をする同業者様に、会ったことない…。
非常に良質な体験をさせて頂きました。


先日、ある商材違いの同業者様がお客様を連れてきて下さいました。
わざわざ社長自ら誘導までして下さるなんて…と、お礼を申し上げると

「○○(某商材)って、やってはる?」

と先様。いやあ~それはかなり得意“じゃない”方ッス…。
とはいえ、紹介のお客様に無下な対応は出来ない。
全力で査定しましたが、お客様のご要望はそれより遥か上。
やむを得ず不成約でお帰り頂きました。

じゃあIさん(当店スタッフ)、
紹介して下さった同業者様に直接結果報告して詫びてくるんで。
…と、重い足を引きずるように歩くこと、しばし。
紹介して下さった同業者様のお店へ。

「すみません、取れ(成約)ませんでした」と私が謝ると、
先様はこう仰ったのです。

かまへんよ。お金を求めるお客様からは、ウチも買わない事にしてるから

え! 衝撃の一言…。
確かに、お客様の中には「処分できるならいくらでもいい」と仰る、
とっても無欲な方もおられます。
が、普通は処分したい=お金欲しい、または処分したい<お金たくさん欲しい
のお客様が多いのではないのかなー、経験則で言うと。

少なくとも換金率が極めて高い「金券」なら、
「お金を求めるお客様からはお買取りしません」みたいな方針にしたら最後、
「じゃあ売らずに自分で使った方がマシ」になっちゃいますよね。
貴金属やブランド品も似た感じになる筈。

これは先様の商材が再販売にテクニックが必要なもので、
「売りたい」お客様は大勢いらっしゃるけど、「買いたい」お客様は
ほとんどおられない事に端を発していると思われます。
だから大昔の京商人みたいな、
「嫌なら帰れどすえ~(文法おかしい)」とは根っこの部分が全く違う。

お金を求めたお客様は買取成約後、必ず再販売価格を覗きに来る、
そして買取り価格との乖離だけに着目して気分を害される、
マイナスイメージの口コミが広がる、
その商材がロスが多く廃棄するものが多い事実を認識されない、
再販売に漕ぎ着くまでに多大なコストが掛かっている事も理解されない、
誰も得しないなら、最初からお買取りすべきではない…
というのが、先様の主張です。深いわー。

お客様から要らない商材を引き上げ、多少お客様にお叱りを受けても
処分させて頂く事が古物商の本道であると思うのですが…
まあ「マイナスの口コミ」は怖いですよね…先様の仰ることもよく分かります。

また一歩、「古物の深淵」に近づいたかも。まだ先は長いですが。

by kinkenya-kobutu | 2015-05-19 00:13 | 古物商としての葛藤 | Comments(0)