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真実を知ると驚愕する事って多い

昨晩、NHK(だったかな)でやっていた「こうのとりのゆりかご」のお話。
死亡した乳児をポストに預けた事件について放映されていましたけど、
実際裁判まできちんと聞かないと、

母親が自分勝手にやって行為、としか世間は見ませんよね。

このニュースは覚えてます。そして私もニュースだけ聞いた時点では
「何て勝手な(母親)」と思いました。でも真実は違う。
結果は執行猶予付きの有罪。身勝手な母親には絶対出ないでしょう、この判決は。
情状酌量がかなり認められたんです。
彼女の厳しすぎる半生を思うと、いたたまれません。
逃げた「赤ちゃんの父親」には、どうか天罰が当たって欲しい。
ありえないって、この身勝手さは。
(妊娠が発覚してから、被告は子の父親と連絡が取れなくなったそうです)
お天道様はちゃんと見てる、と思いたいですね。
死産した赤ちゃんのご冥福をお祈りいたします。

本題。
お買取りする場合、「お持込みされたお客様だけを見る古物商」と、
「お持ち込みされたモノだけを見る古物商」と、
「両方見る古物商」と、査定タイプは大きく分けて3パターンがあるのですが、
私のようにほとんどモノしか見ていない古物商は、モノとお客様の間にある
「エピソード」というか、「経緯」に気付けない事が多いです。
これを効率よく「看破」すると、驚くほど安くお買取りができたりします。
例えば、

・すっごい逸品なのに「遺品分け」だから、お客様はタダ同然と思っていらっしゃる
・非常に「質の悪い」お店から買ってしまって、お客様は超高価だと信じて疑わない
(なんでも鑑定団で大笑いされちゃう気の毒な“依頼人”さんがまさにこれ)
・そもそもお売りになった経験がない場合、過度の期待をされていたり、
 全く期待されていないお客様の「差」が極めて激しい
等々…。

私の望みはただひとつ。
「プロフェッショナル」として、己の持つ拙いスキルを使い、対価を頂戴して、
ご用命頂いたお客様と転売先にもれなく何らかのハピネスを提供する事です。
だから、「あえて聞かない」事もあります。私、メンタル弱いんで。
お客様から「母が遺してくれたもので…」とか聞いちゃうと、
(ああああ~なんて素敵なお母様なんでしょう。こんな逸品を遺されるとは~)
と思い、ほーんの少し査定価格を低めに設定しちゃおうかなー、なんて
悪い心が働いちゃうんですよね。
だって買ったご本人じゃないと、価値も価格もご存じないでしょうから。

でもね…。
以前それで「ちょっとお安め」に買い取っちゃって、店頭に出すのが忍びないから
市場に即投げしちゃって、「やっぱり」高額な落札価格出たりした事もあるんです。
寝覚め、悪いのなんの。アカンのです「ズル」は。できない性分みたい。
あーなんであそこで全力査定しなかったのよ、ってめっちゃ自分を責めちゃう。
めっちゃ凹むんすよ。

だからこれからも私はモノだけ見て買取りします。必要以上の儲けは要りません。
(お客様のお話は元々よく聞く方ですのでご安心を。想いはちゃんと受け止めます)
あ、ただし古物営業法の「意義」に関しては理解しているんで、
「そっち」はそっちでちゃんと見てますよ。見てないようで見ています。

50年振りに当家に来た虎の子の「許可証」、失うワケにはいかないんで…。

by kinkenya-kobutu | 2015-04-26 18:31 | 古物商としての葛藤 | Comments(2)

Commented by 通りすがり at 2015-04-26 23:46 x
通りすがりに失礼します。
赤ちゃんポストに遺体を入れた母親の裁判の記事を新聞で読みました。母親は出会い系サイトを利用していて妊娠しています。不特定多数の男性が相手だから、父親はわかりません。裁判で検察がそう述べています。慈恵病院の医師も、遺体が置かれた当初は母親のことを批判していましたが、番組には出てきていません。あの番組は都合の良い部分だけを取り出していますよ。
Commented by kinkenya-kobutu at 2015-04-27 12:16
↑ コメントありがとうございます。
  ええー、それが真実としたら番組の制作者は悪意ありますよね。ショックです。

  でも、赤ちゃんポストは必要だと思っています。どんな親の元から生まれようとも、
  生きる権利はちゃんとある筈。
  この施設が悪用されない事を切に願うのみです。